「60」発売記念、セルフサービス的なライナーっぽいやつ。

みなさん、こんにちは。
2015年10月8日一色進セカンド・アルバム「60」が本日リリースです。
やんや、やんや~。なのでセルフ・ライナーでも書こうかななんて、書き始めてるんですが、
あさってジャック達のライブだし、色々準備もしないといけないんだけど、
まあ準備と言っても弦張り替えたり、ネタくったりするだけなんで、
明日でもいいか。
弦で思い出したけど、玄ちゃんのソロ・アルバム「Drifting Ship」も今日発売なんですね。
なんたる偶然。
玄ちゃん?
何ハテナしちゃってんの。
玄ちゃんったら、田村玄一だよ。
オレがかつてやってたバンドナイジェルのバンド・メイツで、
その昔ご近所づきあいもしていた。
たしか、ジャック達の「JOYTIME」もキリンジと同じ号の音楽誌にレヴューが載ってたような気もするし、
なんか縁を感じずにはいられない。
そう言えば玄ちゃんも野音で還暦のイヴェントやってたし、
60って、何かをしないといけないような気がしちゃうから不思議ですね。
まあ、干支が5回もまわったんだからよくこんなに生きれたもんだと
あきれたり、ラジバンだりするわけですよ。
50才の時は曲を1曲作って気がすんだけど、
60になったらアルバムかな。なんて思ってました。
別に根拠はないんだけど。
しかしまさかほんとに作っちゃうとはね。この恥かきっ子!
って、年の離れた三男か!
ん~、なかなか始まらんな~、くまったくまった。
ほんとに無駄話が大好きなんだから。
とりあえずジャケ写でもあげないと始まりませんな。
60
そもそもなぜ今回テクノなのか?って話ですが、
それはね、まあ前回の反動ですね。
前作ソロの「歪」は、
聞いてくれた慶一さん曰く「鉄弦の林」ってぐらい、
ギター、ギター、またギターみたいな、
福岡史郎さんとオレと、ゲストの哲っちゃんとコミちゃんと、
とにかくギター合戦だったので、
今回は、もうあれ以上のこと出来ないだろうなと思ったんでしたね。
今回は、鍵盤の林にしようと思っちゃったんですよ。
ちょうどオレの中で中田ヤスタカすげ~な時代も続いていたし。
それで松田先生にプロデュースをお願いしました。
今年の2月ぐらいに。
しっかし一向に何にも始まりません。
そんな今年のゴールデン・ウィークぐらいの会話。
一色「松っちゃん、そろそろ例の録音始めようかと思うんだよね。」
松田「ああ、あれね。いいよ。いつ頃発売予定なの?」
一色「8月ぐらいに出せたらいいかと。」
松田「ええ~、もうすぐじゃん。曲とか出来てんの?」
一色「3曲はある。」
松田「6月は割と時間あるからそろそろやろうか。でも3曲なんだ。」
そして5月28日から録音を開始することに。
7月20日のマスタリングまでこの濃厚な2か月間がアルバムに詰め込まれました。
さてここでやっと曲解説がはじまりますが、これ今日中に書ききれるのか?

1 ガチャ・ガチャ

今回はまず全体のサイズを先に設定しました。全12曲で45分。
とりあえず録音前にあった青空プレタ・ポルテ時代の曲は6曲目と11曲目に置きました。
もう1曲の「生まれて30分の恋」は、3曲目がいいかな。
とりあえずリード曲になる1曲目を書こうと思いこの「ガチャ・ガチャ」を作りました。
1曲目だしサウンドは穏便にしかし歌詞は過激に。そんな滑り出しがいいかなと。
マルクス兄弟の映画もフットボール・アワーの漫才もいきなり狂気にはならないんですね。
そんな感じ。
オレは常々最高の死に方って何だろうと考える時、腹上死こそ最高だなと思うんですよ。
第一、葬式が暗くならない。なんならみんな半笑いですよ。
「一色、腹上死らしぜ。」「まじかよ、らしいけど。」
その席のはじっこで一人たたずむお腹の上で死なれた喪服の女。
最高のエンディングだと思いませんか?
1曲目だけど。

2 閉経ベイビー

2曲目をどうしようかと思い、とりあえずテクノなんだけど、ドラムとベースと歌だけみたいなのが、
2曲目に出てきたいなと思いました。
「なにこれ?デモかよ!」みたいなやつ。2曲目で早くもこれ?と、聞き手の不安を煽る作戦です。
って、聞き手の不安煽ってどうする。
このタイトルもその時思いつきました。こんなタイトルが雑誌のレコード評とかの欄に載ってたら
どんなCDだよ。って話になるかと。スルーされるのに比べれば何倍もましですよね。

3 生まれて30分の恋

この曲は今年の初めごろうちの近所にあるレアール佃野という商店街を歩いてる時に突然涌いてきたんですね。
この商店街はなぜか曲が涌いてくる商店街で、以前にもジャック達の「地下室のエミリー」とかもここで
涌いてきました。なぜかここで思いつくときは歌詞と曲が同時に浮かぶんですよ。不思議な商店街。
最初Aメロとサビだけあって、これだけでもいいかなとも思ったんだけど、短いCメロも付け足しました。
松っちゃんのシンセのアルペジオが美しいですね。
途中の賛否渦巻く甘いささやきは、是非ヘッドフォンで大音量でお楽しみください。

4 待ちわびて

この曲は最初同じフレーズが2度と出てこない曲を作ろうと思って作り始めました。
次から次に色んなフレーズが洪水の様に押し寄せる。
そんな名残が間奏部分に残ってます。
そうこうしてるうちに今のサビの部分に「待ちわびてもう60さ」の歌詞がのっかたらなんか急にテーマみたいなのが
見えてきて、これなんかアルバムのタイトル曲みたいになりそうだなって気がしてきました。
それでそこを軸にして散らかってた色んなフレーズを並び替えてこの形になったんですね。
おかげで、長い曲になりましたが、とっても個性的なナンバーになりました。
間奏の松田先生のシンセとアコーディオンの掛け合いが素晴らしいですね。

5 チャンス

この曲は最初もっさりしてて、この子大丈夫なの?みたいな感じだったんですが、
松田マジックでド派手なナンバーに変身しました。
歌詞の内容も満員電車で痴漢を我慢する男というクレージーな物語を思いつき、
アルバム中最もマッドなナンバーに。
あとは、キーになる香水の銘柄を探していたら、友人に
「シャネルのチャンスっていう香水が好き。」と言われてタイトルにしました。
曲は見かけによらないものです。

6 ラム・チョップ

まさかのラップです。青空プレタ・ポルテは、タイツとジャック達の間に短い時間存在した夫婦漫才ロック・バンドです。
って、さっぱりどんなバンドだかわかりませんが。
このバンドでオレはGGPと知り合うわけです。キーボードは松田先生でした。そんなプレタ・ポルテでも結構な量の曲をかきましたが、
この曲とあとに出てくる「ネコババ」はお蔵入りしたままではもったいないと思い今回のアルバムにリスト・アップしました。
今回のテクノっていうコンセプトにも合うかと思って。
ポルテさんの歌詞がシュールすぎてあれから20年近く経った今でもシュールで通用するのがすごいですね。

7 恋のトランジット

そして今回のアルバム中最もこんなことやりたかったんだよね的な曲が、この曲です。
Perfumeやきゃりーちゃんっぽくしたいんだよね~と、何回松田先生に言ったことか。
昔家族でベトナムに行った時に全員の自由行動のせいで、成田ではぐれて飛行機にギリギリ間に合い、
トランジットの地の台北でもまたはぐれて、またまた搭乗アウトか?みたいなことがあって、
そこからこんなC調なラブ・ソングが生まれました。Bメロなんかは、タイガースの「落葉の物語」みたいだし、
もういつの時代のどこの国の音楽だかわかりませんね。
この曲をでんぱ組あたりが歌ってくれると嬉しいです。まあ、無理ならハルカリあたりでもいいですが。
って、ハルカリ低く見るな!

8 ホリック・ホリック

この曲は、ジャック達のライブにあがた森魚さんがゲストで出てくれたり、
そのあとあがたさんのアルバムに2作品つづけてオレがナレーションで参加したりと、
そんな縁もあってあがたさんと話をする機会っが何回かあったんですが、
その中であがたさんのボブ・ディランへの愛情が熱くてその影響も大きく作用してこの曲が生まれました。
オレはどちらかというとそれ以前は、ディランのことは軽視してたんですよ。
でも、あがたさんのボブ・ディラン物語という曲をライブで共演させてもらったりしてくうちに
ちゃんとディランもう1回聞いてみようって気持ちになるから面白いですね。
なんかディランぽいテクノ作ってみようと思ったのがこの曲です。とってもうまくいったと思います。
あがたさんに感謝。

9 スモール・マーシー

さて、ここいらでフックが欲しいところですよね。
ホリック・ホリックまでが、まあ一通りテクノなりにもバンドサウンドで突き進んできましたが、
ここからの変化球攻撃があるとないとではアルバムの出来に大きく差が出ます。なんてたって人は飽きっぽいですからね。
そんな意味を込めて「スモール・マーシー」不幸中の幸いです。
この曲が12番目に出来た曲です。エリナ・リグビーみたいなピアノ+弦楽四重奏をこの辺に入れたいなと思って作りました。
しかし、せっかく美しい曲なのに歌詞がなめてますよね~。
この詩が思いついたときに家で1時間ぐらいにやけてましたよ。ほんとにオレってヤツは。

10 エアポート急行

そしてここいらでインストいきましょうか。と、いうことでインスト・ナンバーです。
松っちゃんのオルガンソロをどっかに入れたかったんです。
アレンジもベティ・ブープのサントラみたいでいかしてますね。
京急のSEが多用されてるのもご愛嬌。

11 ネコババと40代の課長さん

まったくなんてタイトルなんでしょうか。意味不明。これも青空プレタ・ポルテ時代の曲です。
プレタ・ポルテは、ミカ・バンドをとっても意識してました。
この曲の演奏はまるでサディスティックスみたいですよね。やるな~、松田信男。
もうこの辺になってくると中田ヤスタカとは無縁の世界です。

12 背徳の女神

そしてそんなある日、アルバム最後の曲を書かなくてはいけない日がやってきました。まあ、ラストはアラビアのロレンス的な
スケールの大きな曲がいいなと思ってたんですが、書き進むうちにどんどんイメージが膨らんじゃって、
気がつけばこんな曲になっちゃいました。やべ~、と思いましたよ。
ジャックやシネマのメンバーに怒られるんじゃないかと思って。この曲こっちへ持って来いよ的な。
でも入れちゃったんだからしょうがない。
この曲も松田先生のアレンジ素晴らしいです。
そして、このポンコツな国のことを今日も女神はどこかで憂いていることでしょう。おしまい。

みなさん、もう「60」ゲットしちゃった人も、これからしちゃう人も、
何回目にか聞くときにこのとりとめもない解説を読みながら聞いてくれたら、嬉しいかな。
あ~、腰が痛くなってきたからそろそろやめます。
あさってのライブの準備もしないとね。
そうだ、KIWAにセッティング図送らないといけないんだった。
それでは、あさって二子玉川でまちあわせましょうか。
ご清聴ありがとうございました。
最後に松田信男のグレートな仕事に感謝です。

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