今さらですが、
12月7日のラママニュー・アルバム発売記念ライブご来場ありがとうございました。
オレは、あのライブの2日あとぐらいからすっかり体調を崩してしまい、
家で5日間ぐらい寝込んでました。
生みの苦しみ恐るべし。今は徐々にですが回復に向かっており、
25日の歌い納めには元気になっていたいと思っております。
みなさん、JACK TOO MUCH楽しんでいただいてますか?
今回は、ジャケットの〆切が過ぎた後もまだミックスをやってるみたいな綱渡りだったので、
なんとなくな感じでジャケットのクレジット関係とかを作成してしまい、
なんかとっても不親切な感じになってるので、セルフ・ライナーとか大げさな物じゃないんですが、
JACK TOO MUCHについてつらつらと書いてみたいので、
聞くときのおつまみにしてもらえればと思います。
JACK TALKING ABOUT JACK TOO MUCH
M1 暁ワンダーボーイ
この曲は去年の10月ぐらいに大体のパーツが出来て、「ん~、これはニューアルバムの目玉になるぞ。」と秘かにほくそえんでました。去年のフレット・60ツアーでも楽屋でホテルでヒロムに嫌がらせのようにつきまとって聞かせてた姿を目撃した方もいるかと。その時はまだ歌詞はなく、ブギーの部分がサビで今のサビの部分がCメロみたいな感じでしたね。まあそれはそれでよかったのですが、今年の始めに事件が起きます。デビッド・ボウイの訃報です。新譜が出たばっかりだったのに。そのニュースはシネマの年始のライブ用のリハーサル中でした。体を何かが走り抜けましたね。そしてこの曲をボウイのレクイエムにしようと思って、それまでのCメロをサビと入れ替えてワンダーボーイという歌詞をのせて一気に今の形に。イントロも劇的に始めようかと思いましたが、CとFの2コードで淡々と。何が始まるんだみたいな、ジギースターダストの5イヤーズみたいな、いいアルバムのオープニングになりましたね。この曲は夏秋MIX。この曲のエレキは左chのサイドとソロがGGP。右chがオレ。アコギは、GGP。ハモは大田くんで、コーラスは大田くんとナッキー。
M2 マイ・ベイビィ・アン
この曲は今回のアルバムの曲の中でも1番最初に出来た曲。JOYTIME発売後、次回はGSチックもしくは、モンキーズみたいなムードの曲を多く入れたいと思い作りだした曲ですね。まあ、出来ちゃえばただのジャック達的な曲なんですが。しかし、制作過程ではかなり60年代のGSがカバーしそうな洋楽的なニュアンスを追究しました。間奏部分は後から出来ましたね。これで一気に時代が混とんとしましたね。この曲は松田MIX。エレキは左がGGP。右がオレ。イントロの2回に1回ぐらい失敗してそうな合いの手がオレで、間奏のメロがGGP。オルガンは、
ナッキー。コーラスはオレ以外全員。
M3 カジュアル
エレキ・シタール登場です。GSチックといえばあの頃のサイケサウンドで活躍してたのはエレキ・シタールでしたね。テンプターズに「5-1=0」というアルバムがあるんですが、そのジャケットでベーシストの高久昇がエレキ・シタールを持って写ってるんです。当時超絶憧れたものです。今回それと同じモデルのエレキ・シタールを村松隊長が持っていたので借りてきました。隊長どうもありがとう。この曲はサイケGS調を目指して作り出したんですが、途中から大田くんの好きなレッチリあるいは、インチキツェッペリン色が出てきましたね。まあ、ジャック達だから。歌詞はノンスタイルの漫才のネタからインスパイアされたりもしてます。この曲は松田MIX。エレキはすべてGGP。シタールはオレ。ソロも前半のシタールがオレで、後半のエレキがGGP。大サビのベースとドラムの暴れん坊ぶりがとても歌のバックでなってるとは思えませんね。こうなるともう誰も止められません。
M4 スキニー・スキニー
ヴォーカリストGGP登場。今回はGGPに2曲作る様にリクエストをする。今年の2月に2曲で来たので、まとめるのを手伝って欲しいと言われGGP宅へ。しかし、こちらの曲はスキニー・スキニーのところのリフだけ出来てた。残りを対面方式で二人でギターをいじくりまわして仕上げる。しかし、ジャック達のギタリスト2人のコンビネーションは変わってるな。理数系なイメージのGGPと、超文科系的なオレのギター。それが、夏秋・大田という空母のようなリズムの上の甲板の上で好き放題やってるみたいな図式。この曲の歌詞はその日GGPの家からウチに帰るまでの電車の中でだいたい出来た。郵便局を舞台にしたちょっとした寸劇。主人公の頭の中でしか起きてない恋物語ってのが、GGPっぽいかなと。この曲は夏秋MIX。左ギターがGGP。右の何弾いてるんだかよくわからないギターがオレ。気分はフェイセスなんだが、ロニー飲みすぎじゃねぇみたいな。ソロは間奏がオレで、後奏がGGP。後奏あたりでは、GGPのリクエストで前作の物憂げみたいなギターリフを入れてほしいと言われて、なんかそれっぽいことも。ハモはオレで、メロトロンはナッキー。
M5 ブロコッリー
和製ジェーン・バーキン麥野むぎちゃん登場。この曲が出来上がった時、オレを怒ってくれるのはむぎちゃんしかいないなと、思って平澤くんに相談する。むぎちゃん、ニューアルバムにゲスト参加してくれないかな?と。「聞いてみます。」と平澤くんが言った何日か後にオレとむぎちゃんと平澤くんの3人の間にグループラインが。ん~なんか現代っぽいね。そして無事参加してもらえ、ライブにも参加してもらえ大いに盛り上げてもらえました。ありがとう、むぎちゃん。あのため息を何回録ったことか。この曲の間奏でみなさん、だまされましたか?あれ?ケータイが?って。この曲の手拍子とか入れてる時もみんなわかってるはずなのに、あれ?みたいな。おかしかったな~。この曲の間奏を21世紀のピンク・フロイドの「TIME」みたいにしようと言って、やっぱりケータイの着信音でしょ。ってことで、ある日夏秋と二人でずっとこれだけやってた日があったんですが、それはもう二人で楽しんでました。まずはバイブの音だよね。とか言っちゃって。この曲は夏秋MIX。ギターがGGPオンリー。オルガンは夏秋。
M6 飛ぶ前に跳べ
この曲は去年の6月にオレのソロ・アルバム「60」用に1ヶ月にアルバム1枚分曲作んなくちゃいけなくて、まあその倍くらい書いたんですがその時出来た曲。これはジャック達っぽいなってことで、60からははずす。最初は飛ぶ前に飛べだったのですが、後半の飛べを跳べに変えたら急になんか哲学的なタイトルになった。この曲は松田MIX。この曲が一番どんな仕上がりになるか不安だったんだけど、出ました驚愕の松田MIX。ミックス確認に松田スタジオに確認に行くのですが、その時この曲聞いたとき感動したな。もうイントロのGGP12弦とオレのリフのギターがとっても素晴らしい音で出てきて。今回の松っちゃんの功績は大きい。この曲の大サビのエレピも松っちゃん。ギターは、12弦とアコギとエレキのサイド、ソロもGGP。オレは、イントロとサビの分散和音だけ。コーラスはナッキーと大田くん。
M7 君は2こ上
この曲も今回のアルバムの曲の中では、マイ・ベイビィ・アンと同時期ぐらいに割と早目に出来た曲。しかし、還暦すぎてもこんなにラブ・ソングばかり作り続けるとは、大昔には想像できなかったな。しかしそれでも人は恋をする。ラブ・ソングは止まらない。ということで、この曲はオッサンとオバサンのラブ・ソングと相成りました。しかしそのうち怒られるよなこんなことばっかり歌ってたら。まあ閉経ベイビーよりはましか。この曲は松田MIX。左エレキがGGP、右のレスリー・エレキがオレ。ソロはGGP。コーラスはオレ以外全員。ナッキーのシェーカーが全編で効いている。
M8 The Time Has Come
ヴォーカリスト・ナッキー登場。今回のアルバムのいくつかあるハイライトのひとつですね。もともと今回も夏秋に1曲作曲をリクエストしてたんですが、叶わず。それでこの曲を書いて渡して作詞をリクエスト。それも叶わず。それでナッキー曲の歌詞どんなイメージが合うかなと思案中にふと、英語とかいいんじゃない?とひらめく。ひらめくなぁ、オレ。そして有線とかからよく聞こえてきそうな洋楽の歌詞で耳に残るやつというコンセプトでこれも一気に書き上げた。そしてナッキーにメールしたのだが、音沙汰無し。どうしたのかな?とずっと思っていたのだけど、ある日スタジオに行ってみたらもう歌入れが終わってた。そして驚く。「超カッチョいいんですけど。」もうなんか、洋楽にしか聞こえないね。まあ洋楽だったらなんだって話ですけど。この曲は夏秋MIX。左ギターがGGPで、右がオレ。シタールはGGP。途中に出てくるベースソロが、しびれちゃうね。ハモはオレ。
M9 Stormy April Blues
この曲は、BSだかCSだかでたまたま見た映画「サマータイムマシン・ブルース」が、ことのほか面白くて、その世界観と映像の色をなんとかを曲にしたいと思って作った。歌詞もとても最近のオレの作品では珍しいくらいまともな物語になった。要はあんまりふざけてないのだ。本広克行監督に是非映画化してもらいたいものだ。瑛太と上野樹里で。最初この曲はリトル・フィートみたいなアレンジにしようと思ったのだが、夏秋の中でリトル・フィートは共演NGだったらしい。なんかよくわからないけどたまにナッキーの地雷があるんだよね。それでこの曲はほとんどのバックトラックは夏秋。大田くんのベースと、オレのイントロのギターとサイド・ギターとGGPのソロ以外は全部ナッキー。この曲は夏秋MIX。ハモは、大田くん。コーラスは大田くんとナッキー。
M10 プラスティック・トイ
そしてもう1曲のGGPとの競作曲登場。この曲も今年の2月に2曲で来たと言われてGGP宅に伺った時に聞いた曲。その時はこちらもイントロのリフだけあった。ん~もうちょっと作ってから呼べよ!とも思いましたが、まあこのタイプの曲はリフがあれば8割で来たようなもんだから。そして対面方式でBメロ作る。しかし、この曲が本領発揮するのはスタジオに入ってからだった。ウルトラヴァイブでリズム録りする何日か前にリハーサルしたんだけど、その時この曲がオレはなんとなくブロックヘッズみたいな感じになるのかなと思っていたのだか、あの3人がどんどんツェッペリン化していく。もう誰も止められないってヤツ。この曲は松田MIX。ギターはソロの掛け合いの先行だけオレで、あとはGGP。
まあ何の説明もいらないという曲。大音量でお楽しみください。
M11 Silly Girl
大田譲ヴォーカル曲登場。大田くんが今回1曲歌いたいというので、どんな曲がいいか長考に入る。まあ大田くんのイメージっていうとこれまでだとでっかくてぶっといみたいな感じだけど、ってどんなイメージなんだよ。ジャック達ではせっかくなんでもうちょっとナイーブな感じはどうかなとこの曲を作った。「もう、お馬鹿さんなんだから。」と言う大田譲は面白いかなと思ったんだね。それでSilly Girl。しかし、リズム録りの日、キーを1音上げようということになり、急遽その場でガイドの仮歌と仮ギターを入れ直したのだけど、そのオレの仮ギターだったテイクがそのまま残ってるという、ちょっとびっくり。イントロのフレーズと間奏のフレーズもオレ。ウラ打ちのサイドとアコギはGGP。ハモもほとんど大田くんで、コーラスは全員。この曲は夏秋MIX。
M12 アル・カポネ
M13 天国行き最終列車
別にもう書くのが面倒くさくなって最後2曲まとめて書いてるんじゃないよ。実はこの2曲はセットで出来上がった。ちょっとややこしい話になるのでお馬鹿さんはもう寝てていいよ。まず遠い昔アナログがCDになった頃、CDってなんだよ!と悪態をついてたオレがいました。ある日アビーロードをCDで聞いていてA面最後のアイ・ウォンチューの長い混沌が終わって急にヒア・カムザ・サンが始まった時、ちょっと驚いたんですね。これは今までなかった経験ですね。今までは盤をひっくり返さないとヒア・カムザ・サンは始まらなかったんだけど、自動的に出てきたヒア・カムザ・サンのイントロは新鮮でした。なんかアイ・ウォンチューの霧がパッと晴れて陽が差すみたいで。まずそんなイメージがなんとなくこんなの面白いなと長い間脳のどこかにいましたとさ。それとは別にCMか何かでギターの1コードの8分がいきなり流れてそれに歌が乗ってくるみたいなやつを聞いたとき、こんなのは今までのジャック達にはあんまり無いなと思ったんですね。ギターと歌だけで1分ぐらい行くなんてジャック的には冒険です。早くベースとドラム出てこないと不安で不安で。しかしここは思い切って1曲ぐらいしばらくギターと歌だけ続くみたいな曲を作ろうと思って出来たのが最終列車でした。それでこのギターの8分刻みのイントロを衝撃的に出したいのでその前の曲はマイナーでもう延々と混とんとした後奏が続いて突然カット・アウトして最終列車が始まるってのはどうだろうと思い。アル・カポネをつくったんですね。だからアル・カポネは、最終列車につづく長いフリです。フリのくせにアル・カポネも中々の曲になりましたね。松っちゃんのピアノと人力テクノな要素が混じり合ってまるでウルトラ・ボックスのようです。ミッジ・ユーロ加入以前のジョン・フォックス時代の。イントロとかエンディングあたりのアナログ・シンセはオレ。左ギターは、GGP。ディレイ・ギターはオレです。最終列車のサイドとソロはGGPで、歌中のちゃちゃいれてるギターはオレです。コーラスは全て大田くん。この2曲とも松田MIX。大田くんのピック・ベースがロック丸出しですね。
みなさん、最後までご清聴ありがとうでした。このJACK TOO MUCHが少しでも多くの人の心に届けば幸いですね。メリー・クリスマス&ハッピー・ニュー・イヤー!って、カタカナなのかよ!